HANGOUT Vol.5 〜「人を繋げる」を仕事にしたい人達が、結構気になっている職業「コネクタ」って何!?〜


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 今回のHangout(Vol.5)は「Sansan」のマーケティングを立ちあげ「Eight」のプロモーションを実行するだけでなく、しもたく自身も「何なんだ、その仕事は!!」と思った「コネクタ」という職業をしていらっしゃる日比谷さんにお話を伺いました。(尚今回、僕自身が熱望して「日比谷さんと是非是非お話してみたい!!」という我儘に至ったわけですが、それを実現してくださった Sansan の加藤さん(文中登場)には感謝しかありません。本当に有難うございます。)

 「コネクタって何?」「普段どんなことしてるの?」「っていうか、どんな人がそんな仕事出来るの?」といった純粋無垢な質問に真正面からお答えいただきました。(会社の宣伝記事でもなーんでも無いので、唯の僕自身の興味本位ブログです。が、その為かとっても楽しい1時間を過ごさせて頂いたのです。)

 

まずは自己紹介(知る人ぞ知るホームパーティーの存在について)

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いきなりですが、「画像が真っ黒です」と、しもたくは言いました。(この日、日比谷さんはご自身主催のホームパーティーのスタート前だった。これもコネクタの仕事ならではなのかもしれない。。。)

 

しもたく:日比谷さん、初めましてしもたくと言います。なんか、すっごい暗いですね。そこ…。

 

加藤さん:今日は◯◯(知る人ぞ知る場所)にいらっしゃるんですね。

 

日比谷さん:初めまして、日比谷です。今日はオープンしてまだ誰もまだ来てないので、ここで話しますよー。カウンターがあって、5〜6人位座れるスペースがあり、アナログレコードを流せるといったスペースです。

 

加藤さん:(部屋の映像を見ながら)僕が行ったのは2015年の中頃なのですが、なんかどんどん進化してますね…。

 

日比谷さん:始めたのが一年半位前なので、ちょうど秋だったんだよね。その時はエアコンもいらないし、冬になってもダウンジャケット着ながら飲んでいた感じだったんだけど。トイレが無かったら女性も直ぐに帰っちゃったり色々不都合あったので、結局トイレつけることにしたり。集まってくれる人たちのニーズに合わせながら改良してる感じですね。基本的には週1とか週2でやっているんですけど、IT系の人、ベンチャーの人、広報やVCの人とか。たまに音楽やっている人とかが来ててとっても楽しいです。集めたい人というカテゴリも特に決めてないんですけど、口コミのみで広げているので初めての人が来ることはまず無いですね。今はベンチャーのCTOをやっている人と一緒にしているので、勝手にフィルターがかかっているのかな。人選ルールも特にないので、基本は自由でやってる感じです。

 

しもたく:いやー、雰囲気いいだけじゃなく、面白い人集まりそうな空気感出てますね、そこ。

 

日比谷さん:今は450人くらいのFacebookグループになっていて、ここに来たことない人が100人くらい入っているんじゃないですかね。(僕自身もその1人になった。)昼夜問わず色んな人に会ってますよ。

 

それでは、本題。「コネクタ」って何?

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しもたく:コネクタ」っていう仕事内容に興味があるんですけど、まさに昼夜問わずそうなんですね。ふむふむ。

 

日比谷さん:社内の人から「何屋かわからない」って言われることもありますよ。例えばこの前、そこそこ中堅の方で中途採用された社員に「契約でPRでもされてるんですか?」とか言われて。僕結構前から会社に居るのに…。なので、加藤さんみたいに存在認知してもらっているだけましです(笑)ただ、「成果出せばフレキシブルにやっていいよ」という会社なので、営業の人とかはかなりかっちりしていますけど、僕はこんな感じです。Missionがはっきりしていて成果出せるのであれば、「コネクタ」として動いても問題ない。というように動かしてもらってます。

 

しもたく:なるほど凄い!いや、良い会社ですね。かとかん(文中の加藤)さんや、以前御社にいたデザイナーの女性などにお逢いしてからも「面白そうな会社だなぁ」と感じてたんですけど、まさかそこまでフレキシブルとは。突然ですけど、日比谷さん「バウンダリースパナー」っていう言葉ご存じですか?

 

日比谷さん:いや、初めて聞きました。

 

しもたく:僕は「コネクタ」がそれに近い存在なんじゃないかな。と思ってるんです。職種とか、部署とか、企業とか。そういう枠を飛び越えて、広く付き合ってイノベーションを生み出していく人ぼくはそんな認識を「バウンダリースパナー」にやんわり持っているんですけど、「コネクタ」もそんなイメージですかね?

 

日比谷さん:お、そういうことですね。「コネクタ」を名乗り始めたのが2〜3年前なんですけど、当初は全然理解されないと思っていたんですよ。なんか世の中で「コネクタのような仕事をしているのかな?この人」と思える人は「カッチャマンさん」しかいなくて。例えば、社長室とか役員をやりながら ”ついでに” コネクションを作る人は多いですよね。もっと調べてみると広告代理店の営業マンとかはやっていることが実は一緒なんじゃないかと思ったりしたんですけど、彼らは自分の売上を上げることがメインMissionであって。でも、ほぼ繋ぐことだけを仕事にしている人がそんなにいるかというとそうでもないのかな。と。

 

しもたく:なるほど、確かにメインで「コネクト」している人は聞いたことないですね。そもそも世の中的には「コネクタ」ってなんやねん。という感じだと思いますし。

 

日比谷さん:今は自身も兼務しているのが「Eightのエヴァンジェリスト」ではあるんですが、明確に半分はコネクタをやっている。と言ってます。なので、人事だとお察しの通りだと思うんですけど、自分の評価とか難しいだろうなとは思っていて。この仕事の課題って、苦労は随分あるんですけど、どちらかというと何をやったかを社内外に見える化させるとかとても難しくないですか?マネジメントとしても「こいつ仕事してんのかな?」と評価するのが難しいし、人と関わっていく仕事なので成果として花を開くのが随分後になる(1年後とかはザラ)ことも多いので繋いだことをあとから評価されたりしても、その時の種に気付いてくれる人は少ないですよね。

 

しもたく:それは物凄く気持ちわかります。その中でも成果出すのが大切だったりするとは思うんですけど、広い付き合いはいつ花開くか予想出来ない事のほうが多いですよね。

 

日比谷さん:なので、他の人には目に見えない活動をトレースしとかないと。と思うんですよね。出逢った人をリスト化してシェアしたりだとか、その時何があって何が出来そうとかは他の人にも見える化しておく。こういうことも、少し時間かかるけどやっといたほうが良いです。

 

しもたく:僕は苦手ですけど…確かに納得です。むむむ…。

 

「コネクタ」ってどんな人がやる仕事なんですか?

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しもたく:そういった仕事のスタイルになったのっていつからですか?元からそんな性格だったんですか?

 

日比谷さん:僕は学生時代からベンチャーなどをやっていて、インターネットが出てきたところでフリーに仕事したりしていたんですよ。いわゆる「できる学生」と「ベンチャー」を繋いだりとかしていたんですよね。で、その中で気付いたことがあって。「良いネタが転がっているのに、モノが、コト何も起こらないのはもったいない」ということが良く有るんですよ。それで、ちょっと紹介しよっかなということが増えました。そうすると何か起こり始めるので。元々、いろんな事に自分が絡むのが凄く楽しいし面白い。新しいモノ、コトが身近なところで起こって欲しい。自分も出来ればその一翼を担ってみたい。そういう意識は強いと思うんですよね。でも、全部のイノベーションに自分の思いを乗せることは中々難しいんですよね、興味あることが多過ぎるので。いろんなことには関わっていたいですよね。少しでも当事者意識を持てるように。

 

しもたく:すっごい気持が良く分かってしまうので、僕そういう人なのかもしれない(笑)ちなみに、根本的に「飽き性」だったりしませんか?

 

日比谷さん:お、当たり。完全に飽き性です。初期の頃、0からマーケティングの立ち上げをやっていたんですけど、一旦立ち上がってしまった後に、CVRの調整、CPIの調整(その他にもエトセトラえとせとらetc…)そういうルーチンワークになって来てしまうと、ちょっとなんか違うなというか。自分以外の人にお任せした方が成果出るのではないか。ということは良くあるのでパス出しちゃいます。

 

しもたく:はー、逐一共感してしまう…。良いのか悪いのか…(笑)では、ここで突然ですが無邪気な質問です!「自分は起業家として向いている」と思いますか?気になっちゃったので聞いちゃいます!

 

日比谷さん:んー。どうかなぁ。ちょっと難しいかもしれないですね。「一つのことにスティックする」よりかは、「あちこちアンテナはってパスしていく」という仕事の方が合っているんですよね。今の会社くらいにDeepな部分まで入れるところだと良いんですよ。むかーしに撒いた種が、あちこちで進行していたりするので。なので会社の成長とともに、自分の形態も変えていく感じですかね。「あ、今これが必要そうだな」「将来的にこんなの必要になりそうだな」っていうのを独自にアンテナはってたり、経営者との動きや流れの中から掴んできて提案したりとか。もちろん、心熱くできる会社や事業があって、そこに自分に必要な役割があった場合は、それに決めて突っ走る事もできますよ。(やりたいかどうかは別にして)

 

社内に「コネクタ」がいる意味とは!?

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全力笑顔の日比谷さん。人柄が沁み出てます。

しもたく:さすが、タダの飽き性じゃないですね(笑)経営者からすると(良い意味で)すっごい使いやすいんじゃないですかね。

 

日比谷さん:社内の「何でも屋」の場合だと「たまたまやっていて、ふいっと出てきたボールをパスする」とかだけでは全然駄目なんですよ。事業や会社の方向性を知ってないと良いパスは出せないから、社内のヒアリングとかには力をいれていますし、ここを押し通してたら伸びるなという感覚は常に持っとかなきゃいけないですよね。で、良い球拾ったら、速攻パスする感じ。

 

しもたく:ナイスコネクト!!って感じですね〜。良いなー。(若干テンション上がりすぎて)「ナイスコネクトステッカー」作りたいですね!!

 

余談:記事書きながら思ったんですけど、コネクタはサッカーでいうボランチみたいな存在かもしれない。すっげー早いパスもらいながら、たまには遠く離れた後ろからロングボールも出せるし、ゴール前の痺れるタイミングでキレるショートパスも出せるし。当然、攻めれるし守れるしみたいな…。

 

かとかんさん:ナイス…。コネクト……。

 

日比谷さん:…。

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かとかんこと、加藤さん。何故かしろくろ。

 

かとかんさん:(気を取り直して)手前味噌ですが、日比谷さんは経営の半歩先みたいなことを常に意識しているし、社内の困り事を言語化していることが多いんですよね。本当に良いタイミングで、しっかりマッチした人を繋いでいくんですよ。事業内容も、現状も理解された上での、「コネクト」を目指しているので客観的に見た時に「日比谷さんいなかったら、こういうふうに事業なってないな」ってことがあるんですよね。なんというのかな、ダイヤの埋め合わせっていうのか、足りないピースを探し出してくるっていうのか。そんな大切なことをそつなく任せられる人っていうのは中々いないと思うんですよ。入社して以来ずっとそういう感じですよね。

 

日比谷さん:「いい形で会社がポジションを作ってくれている。」ということは分かっているので、会社には感謝しかないです。「コネクタ」を作ったきっかけもお話できないようなことも含めて色んなことがあったんですけど、最後に「好きなことやって結果出せば?」と言ってくれたのは大きかったですかね。僕がいなくなれば、この仕事なくなっちゃうかも。とも思っていますし。そもそもベンチャーの場合何でもやんなきゃいけないし、選んでる場合じゃ無いじゃん。って起業してた頃から考えているんですよ。なんで「コネクタ」の原点は、ここ。「何でもやんなきゃねと。そこが大事なのかも知れないですね。

がやがやがやがや…

かとかんさん:10時からの混み具合ったら凄いですね。仕事終わりや、飲み会終わった後にくるんだろうなぁ。

 

日比谷さん:あれ、今日遊びに来た人の中にも「しもたく、知ってる」って言ってる人居るよ。今、Skypeで話してるんだけど、これ。ほら。こんな感じで。

と、画面で見せて繋いでもらう…

 

しもたく:おー、久しぶりー元気?(笑)凄いね、なんか。こんな感じで逢えるんだ(笑)

 

そんな感じで、また誰かに繋がってコネクタHangoutは無事終了したのでした。

 

しもたく編集後記

今回は「コネクタ」っていう名前(職種)にビビビっと来まして、いきなり繋いでもらっちゃったのがお話の流れでしたが、直接お話することでより一層日比谷さんの魅力に取り込まれた感がありました。(さすがコネクタです)人と人を繋げる仕事のバリューって見えるようで見えにくい。「ありがとうございます!」って言われたとしても、それだけ、ということはよくある話です。ただし、文中にもあったように「撒いた種が花咲く時」というものが必ずいつか来るのが人を繋げる魅力です。なので僕は常に「良い人」と「良い人」を繋げられないかなと、考え続けています。

これまた「良い人」というものの定義が難しくて、人によって一人一人違うと思います。会社にとって、個人にとって「良い人」の定義がバラバラなので、出来るだけ短い時間で相手が欲しい情報を引き出す様な話し方にどうしてもなってしまいます。その究極が「土足で踏み込む」とか「自分の素を出しちゃう」とか、いわゆるナンパ術だったりするわけなんですが、これがどちらかと言うと日本人にとって苦手な部分なのかなとも思っています。

また、「良いな」と思える人に出逢った時にその人の経験値に近いものが自分にあると、当然ですが話が早いです。同じ業界、同じ仕事、同じ故郷、同じ学校、同じ学年、何でもありです。共通の話題で突っ込めて親近感がわいて、短い時間で信頼の蓄積をする。ただ、その際に常にその深度について考えてたりもします。浅い共通点だとImpactがなくて、本当のニーズに辿りつけないことが多いので、出来るだけ深いものに出逢えるように会話を組み立てていくことも大切かと思います。

オンラインでのインタビューや飲み会を繰り返すと、相手の懐に入るのが対面の数倍難しいことに気付きます。それくらいいつも(集中している時は)相手の様子や細かい挙動を見ながら質問の内容を変えたり。時には話し聞いてないふりして、すっごい聞いてたり。ということが信頼を築くのに大切なんだなと思いました。

「コネクタ」を天性の才能だけで終わらせるのではなく、その力を合理的に役立てられるように努力されている日比谷さんとのお話は本当に楽しかったです。またいつか直接お逢いして、今度はサシで色々とお話し聞いてみたいなと思いました。その時は、「出逢い』という無限の可能性を秘めた仕事をしながら(絶対かなりの時間をそういうWorkに割いていると思うので)奥さんや家庭ってどう大切にしているんですか?」というプライベートな質問をしてみたいです。

しもたく