キッカケはいつもとあるメッセージから
「やばい、やっちまった…」と一瞬思ったのですが、メッセージの様にどうやら好意的に捉えて頂いている様子。それなら!ということで、早速直接お話しさせて下さい。と依頼をすることにしました。
Webで記事を書く、自身のホームページを持つということにおいての個人的な一番の楽しみは「それまで知らなかった素敵な誰かに出逢える」ということだと僕は思っています。SHIMOTAKUでは「新しい出逢いを創出する」をテーマにしながら、この21世紀においてボーダレスに人と繋がらないなんてもったいない。という精神で、色んな方々に胸を借りるるもりでインタビューさせて頂いております。
直接(Skypeを通して)話したこと
今回はfacebookからメッセージを頂いた城倉さんと、リクルートワークス研究所にて主任研究員をされている田中さんのお時間を頂いてお話を直接聞くことになりました。僕は正直に「リクルートワークス研究所」というものが何なのか全く知らなかったので、まずはそこから聞かせて下さい。というスタンスで望んだにもかかわらず、優しく丁寧にお話頂きました。
アジェンダとしては主に3つです
- リクルートワークス研究所って何ですか?なんで、戦略的採用論を発信してるんですか?
- 日本と海外における採用や人事の役割の違いについて
- 城倉さんや田中さんは、なんでリクルートワークス研究所で働いているんですか?
いつも通り、直球ストレート150km質問を投げさせて頂きました。が、これまた素晴らしく丁寧にお答えいただきました。
リクルートワークス研究所って何ですか?
まずは就活生でもしないであろう、このストレートな質問からぶつけてみました。ただ、単純に興味があったからです。
しもたく:すみません、いきなりで何なんですが、そもそも「リクルートワークス研究所」って何なんですか?
田中さん:リクルートワークス研究所はリクルートグループのシンクタンク部門という役割を担っています。HR事業部門がリクルート自体の創業時からある部門ということもあり、それらに関する様々な知見を中立な立場で集め発信していく組織です。リクルートへの売上だけではなく日本企業全体の価値や質向上に貢献しようとしている機関になります。
しもたく:(おぉ!これは期待せねば!)
主機能としては、主に以下の3つのようです
①研究
②調査
③情報発信
機関紙Worksという雑誌を発行し「人と組織に関わる半歩先の情報」を発信されているようです。恥ずかしながら、僕は今まで一度も読んだことがありませんでした。
また、研究レイヤーとしては以下の3つの観点から。
①マクロ(労働市場、経済など)
②ミクロ(個人のキャリア、学習方法など)
③メゾ(HRマネジメント、経営戦略など)
リクルートグループのプレゼンスを上げることもさることながら、人事に関わる情報をあらゆる角度から収集し発信する組織。戦略的採用論自体も産官学に届ける想いで書かれた様で、研究者の方にも読んで頂く書物になっているそう。(なるほど、そりゃ確かに文字文字してしまうわけだ…。)
ただ、僕自身もブログを書こうと思ったのは「想像以上に内容が濃かったから」(実際に分量がかなり多い)という理由と、「実際に他の採用担当の人にもこれ読んで欲しいな」と素直に思ったからです。
こちらはリクルートワークス研究所さんとしても、想像以上に実務採用担当者さんからのリアクションも多かったらしく、お互いWin-Winになるようなプロダクトだったのではないかと推測します。
日本と海外における採用や人事の役割の違いは何ですか?
今度は逆に、僕でも何か役に立てるようなことをお話させて頂きました。日本と海外の採用の違いって何ですか?という大きなテーマですが、細かくラリーを続けたイメージです。
僕が話した内容としては以下の様なことです
- 転職候補者の温度感の違い
- 日本の採用手法が通じるのか否か
- シンガポール自体の採用市場はどうか
- 人事、採用担当の会社における立ち位置の違いはあるか
基本的には主観が大きく入るという前提でざっくばらんに真正面から話をしたので、多分に失礼な部分があったかと思いますが、話しながら確かにこの1年で随分自分自身の価値観も変化してきたかなと自覚しました。
候補者を集めるのか、選ぶのか。という根本的な転職マーケットの違いから、実際に働いている現場を知っているからこそ見える国籍の変遷だったり、シンガポールの経済発展に併せて人材マーケットが変わっていることだったり、個人的に感じる他社HRのレベル感だったり色々話せて楽しかったです。
また、読者の方でこの辺りに興味がある方がいらっしゃいましたら、是非直接メッセージ下さい。
城倉さんや田中さんは、何故リクルートワークス研究所で働いているんですか?
しもたく:実は今回一番知りたかったのはこの質問だったんですね。「新しい出逢いを創出する」というテーマは、僕自身が単純に人に興味があるからで、尚且つその人達がどんなWhyで仕事をしているか、生きているかに興味があるからです。城倉さんや田中さんは、何故今、リクルートワークス研究所で働いているのですか?
城倉さん:かいつまんでお話すると、新卒でANAに入社しましたが、その後リクルートの人事に入りました。当時は人事とワークスの仕事を兼務していたんですが、約2年前くらいに様々な調査をワークスでさせてもらったことがあり、仕事自体がとても面白いと感じていたんですね。その後、エムスリーというベンチャーに入ったんですけど、正直な話、自分の力不足を感じました。もっと広く人事を感じたい、知りたいなという考えがあり。例えば「経営学・心理学・経済学」という幅広い観点からも人事を知りたいな、とか。そういったことを考えていて、ワークス研究所は色んな人と話ができる現場だったので、担当役員に相談して「もろもろの覚悟ができるのか。覚悟ができるなら」と言っていただいて、今に至ります。
田中さん:僕は大学院で星の研究をしてまして。太陽系の研究とかそういったものです。実は研究者をずっと目指していたんですが、色々あってその道は辞めることになり、26歳にて社会人デビューをして戦略コンサルをしていました。暫く働いているうちに「戦略の絵を描いても、実際に動かないと意味ないな」と思い始めたんですね。研究者を目指していた時は、リクルートの存在も殆ど知らなかったんですが、リクルートの中にいる魅力的な人にお逢いして。いい加減のように見えるけど、お客様や社会をどう変えるのかということにコミットしているような人達だったので面白くて。15年前にリクナビ事業の営業から始めて、新規事業開発、マネージャー、5年前から人事に異動してリーマンショックからの立て直しなども経験しました。その時、人事だったんですが経営企画的な仕事もすることになり、個人の能力開発や会社経営との連動まで見ることになって人事面白いなと。カオスな環境の中で人事制度の改革なども主体的にやることが出来たので凄く楽しかったです。去年の4月に異動がありワークスに来たんですが、事業から遠い存在だと思っていたものの、どこに対しても影響力を発揮できる強みがあるなと今は感じていますね。
しもたく:ちなみに、城倉さんや田中さん自身が目指していくものは何ですか?
城倉さん:僕は転職が多くて飽きっぽい印象があるとは思いますが、基本的にはやりたいことをやっていきたいと考えています。現在そういう意味では「とてもやりたいことをやらしてもらっている」ので、ここ(ワークス)でコミットしていきたいなと思っています。その中でも自分がやりたいこととしては2つあります。
1つ目は、現場でビジネスを支えている人達がもっとハッピーになれる方法があるんじゃないかなと思っていて。そこに対して何か発信していきたいと考えています。
2つ目は、色んな会社で成長フェーズというものがあると思いますが、そのフェーズごとにぶつかる壁というものがあると思います。実はその中に、事業という枠を超えて決まったパターンがある気がしていて、それを導き出して世の中に出していく。その決まったパターンの概念や打ち手や法則を自分自身が提案していく。ということをやっていきたいです。
田中さん:僕は、人事の仕事は「事業と個人の成長を結びつける仕事」だと思っています。リクルートワークス研究所に来てより一層、「社会や経済成長を持続的にやっていくにはどうすれば良いのだろう?」ということをよく考えています。人事自体が会社という環境の中で、働いている個々人の結節点みたいな存在であると思います。なので、実際にその現場の助けになるような施策や、実行できる具体的な方法を提案していきたいですね。元々理系ということもあって、「日本全国適材適所。これを方程式で書けないかな」と考えていて。ロジックが全てではないものの、理屈で 押さえられるものは押さえておきたいです。格好つけてみましたが、実際にはRPGみたいにぶつかりながら毎日成長しているだけだとは思うんですが(笑)
そんなお二人が逢いたい人はこんな人!
しもたく:それでは最後に、そんなお二人が逢いたい人がいらっしゃれば是非共有して下さい。「新しい出逢いを想像する」がコンセプトなので、是非!
城倉さん:ベンチャー企業の経営者の方々、特に人や人事に課題感を持っている経営者の方とはお会いしてお話したいです。「人とか組織とかって大事だよね。」と共感して頂ける方と数多くお会いしていますので、そういう方にはもっと出会いたいですね。
田中さん:現状に問題・課題意識をもっている人事の方とは、全体的なHRM施策などについて是非是非お話してみたいです。そういう方がいらっしゃれば是非ご紹介下さい。
(実際に上記のような方がいらっしゃって「お二人と話をしてみたい」という希望があれば、お気軽にしもたくまでメッセ下さい。)
しもたく編集後記
文中にも書かせていただきましたが(個人的にこれだ!と感じている)ブログやHPを書くメリットは「まだ出逢ったことのない面白い人達に出逢える」から。だと、心底感じています。自分自身もの凄く飽き性で、常に変化を求めているタイプなので、その意味では今回お話させて頂いた城倉さんのような方からメッセージを頂くことで始まる対話に非常に感謝しています。
「この人、どんな人かわからないけど、とりあえずコンタクトしてみるか」で、良いんだと思います。合わなければ合わない。そういうこともまた、よくあります。
ですが、基本的にはその上に「時間を頂いた感謝 と 相手の意見や立場への尊敬の念」がある限り、必ずその出逢いの時間は良い物に出来る。と僕は思っていますし、そう信じています。ですので、そういった想いを持って頂ける方は是非気軽にコンタクトして頂けましたら幸いです。
さてさて、今回のお話を通して僕はリクルートという会社に、さらにこれまで以上に興味が湧きました。その理由の一つは、インタビューしたお二人の視点が「リクルート」という会社に留まらず、「日本社会」というものを見据えて動いていらっしゃる印象を受けた為です。二つ目は、「人事」という事柄に対して「アカデミックに捉えていく」という貴重なアプローチが、日本にあったということを実際にお話して知れたからです。(これらの事実のみではなく、一企業がそれを実現するための様々な要因を妄想し魅力的だなと思いました。)
戦略的採用論を初めて手にした時は、正直に言うと、少し懐疑的でした。どれ位現場に近いものか。というのは、実際にその現場にいてリアルがないと分からないからです。正直、文体や内容は実際に「現場で即使える!」というものにはなっているとは思いませんが、少なくとも人事であれば内容について「読んで考察する時間は、貴重な体験になるもの」だと、僕は感じました。(しかも、無料で。しかも、丁寧な解説付きで。)
そういったものを発信できる機関がある。そういう想いを持った方々がいる。というのはとても心強いですね。
是非、人事・採用担当の方々、経営者の方などはご覧になられることをお勧めします。
http://www.works-i.com/pdf/160407_sr.pdf
それでは、又どこかでお逢いしましょう!
しもたく