シンガポール居住感想文 〜30歳越え海外生活・7つの振り返り〜


こんにちは、しもたくです。(最近、初めてお逢いする方から「あ、白タクさんですよね?」と言われました。自由に生きてますが、まだ違法ではないはずです。)

本日2016年9月1日でもって、約1年半住み続けたシンガポールから帰国することになりました。予想よりも短かかったのですが、日本に住むよりも(おそらく)濃厚で楽しい想い出も沢山出来ましたので「折角だからここでまとめよう」と思いたちブログを書くことにします。(今日は(も)長いので、時間ある方限定でお読みください。)

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Level33から撮った、ありきたりなシンガポール。こういうとこに来ると、「あ、今シンガポールにいるんだ」と思い出します。

読者ターゲット

このコンテンツは、どんな方にもお楽しみ頂けると思いますが…

  • シンガポールに居住している(ORしていた)、してみたい、という方

もしくは

  • 海外生活に興味があるアラサー夫妻(筆者は既婚・子供なし)の方

には、より身近に感じられるかと思います。あくまで「シンガポールはこうだ!!」というものではなく「住んでてこういうこと感じた人がいたんだ」というものだと思って読んでください。

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CityHall付近Chijmesの景色。Posh過ぎてあんまり行ってませんでしたが、晴れた日は気持よくビールが飲めます。

 

シンガポール居住感想文:7つの質問

1年半を夫婦で振り返るにあたり、「どんな質問をすれば良いか?」ということをまず考えました。折角なので、自分達が後ほど振り返った時にも「あ、そうだったね」というものにしたかったので、これらSimpleな質問を自問自答してみることにしました。

 

①(入国前に)知っておきたかったコト

ふと考えてみたんですが、僕自身の性格上「ほとんどのことを気にしない。その場で何とかする。」というサバイバル癖があるので、その中でもちょっと気になったものを少しだけ。

 

・地域ごとでの住んでいる人種(人達)の違い

僕らが住んでいた地域はHolland Villageといって比較的西洋人が多いと言われている地域でした。ここに関しては、現地で情報を集めてから家探しをスタートしましたが、コンドミニアム(マンション)の雰囲気だったり、周辺で生活している人々がどんな感じなのか。というのはもっと事前に情報集めておいても良かったかなと感じました。Chinatownに初めて行った時には、正直驚きを隠せず…。(汚い道端で普通に寝ているおばちゃんが居たり、そこかしこからGが飛び出してきた(暑かったので)りして、オツだなと。)シンガポール綺麗って誰か言ってたじゃん!!と度肝抜かれた想い出があります。でも、総合して世界の中でも圧倒的に日本人が海外スタートしやすい国だと僕は思います。英語も生活するだけであれば、日本で義務教育的に英語を学べていれば何とかなるし、実際に入ってくる情報や政府系からのレターも読みやすいものが多いです。

 

Singaporeでは良くイベントやコンベンションが開催され、それこそ日本だけでなく世界中から人が集まります
Singaporeでは良くイベントやコンベンションが開催され、それこそ日本だけでなく世界中から人が集まります。

 

②良かった体験

・税金

まずはコレ。とっても安い。日本や欧米諸国から比べると圧倒的に安いのですが、1年に1回の出来事(Annual Income Tax)なので日々感謝出来る様なモノではないです。但し、納税額の決定後、あまりの安さで個人的には直後の購買行動に大きな差がでました。(ちょっと高いけど、ビール買っちゃおう。レストランでご飯食べちゃおう。程度です。)

 

・交通費(タクシー)

飲みに行くにも、仕事で使うにも便利なのがタクシー。UberやGrab Taxiなどのアプリを使いこなして、どこにでも昼夜問わず10〜20SGD(日本円800〜1600円程度)で快適に行けるのはとっても良い部分でした。但し、運転がめちゃくちゃ荒いと思うので(あくまで個人的な感想)このまま死ぬかもと、何度も思ったことはあります。(高速道路に乗っていた時に、目の前で車がひっくり返ったことがあります)

 

・異文化コミュニケーション(と、その好き嫌いへの気付き)

シンガポール人は、自分が「オリジナルシンガポーリアンである!」と強く主張する傾向にあります(と、あくまで僕は思いました)。一方で、本当に日本に居るとあんまり出逢わないような人達(インド系、マレー系)に、MRT(電車)、会社、レストラン、ホーカーなど、どこにいてもじゃんじゃかあえます(というか、あってしまいます)。

先ほども書いたとおり、地域によって出てくる人種が違う(PokemonGoみたいです)感じがしますが、今まで楽観的に「異文化最高!やっぱり時代はグローバルだよね!!」って勝手に思っていたんですが、リアルに生活に直面すると色々面倒だったりすることが多いものです。相手に気を使っている場合じゃないことも多いし、主張も強くしないと上手く立ち回らないことも多々あります。(一般的に日本人は他人との関わり方に関して、世界と全く違う教育「主張しないように生きなさい」を受けているからだと個人的には思うわけで)そのことに、家族(妻)と共に気づけたことは大きいし、またその中で自分たちは「どう生きるか?」について議論したり、考えながら行動したり出来たことは何よりの宝物です。

例えば一つのストーリーとして、先日こんなことがありました。大変混雑したバスの中で、爆弾らしき(の様に見えた)怪しい荷物と右手で謎のリモコンを持った状態で入ってきたイスラムの方がいました。その後、たまたまその方とエレベーターをご一緒することになり、我々を優先して入り口の開閉を手伝ってくれた姿を見て自分の心を痛めたものです。(シンガポールでは80%以上は他人を優先せず、自らが特攻隊長のように乗り込むのが普通です。待ってると押されたりするので、この方は大変レア。)「見た目で判断するな」と良く言いますが、恐怖は見た目から感じるものであったりもするもので。信じすぎても駄目だし、信じなくても駄目だし。難しいなぁ、と。結局は自分の体験で判断していくものなのだな、と実感しました。

9月に行われる年に1度の祭典F1。今年も行きたかったなぁ。
9月に行われる年に1度の祭典F1。今年も行きたかったなぁ。

 

③悪かった体験

・サービス

良くも悪くも「値段=サービス」に直結する現金な国だなと思いました。というわけで、ミニマムサラリー(といっても下限ないんですが)で働くバイトには一切のサービスを期待できない。ということは理解しておいた方が良いです。(牛丼屋で働く俊敏なバイトリーダーがいる国は日本だけです)

コスパ系のレストラン及びホーカーでは、まだ食べているのに片付けられる(黒板五郎が怒りますよ)、料理の汁や飲んでいたドリンクがハネて服につく。こちらは美味しく食べているのに目の前に異臭漂う残飯を処理される。などは当たり前です。これはシンガポールだけではなく、個人的にはマレーシア、インドネシアに行った際にもよく感じました。

例えば、勝手に長距離バスのチケットを変更する。予約した席と違う。そのことを告げようにも英語が話せないので無言で行うし、当然謝ることはない。むしろ、逆ギレする。時間変更が予告なく行われ、アナウンスをしない。などなど上げるとキリがないので、そういった国に行く時には事前にこちらもゆったりモードに自分のギアを切り替えていく優しさが必要になります。(ただ彼らは悪気なくゆったりしているだけ。に気づくと思います。)

 

・タクシー

先ほどはメリットとして上げたタクシーですが、競合参入が激しいのか、それとも性格的に適当過ぎるのか、体験として「うわー…」と思うことも多いです。特に僕自身が何故、Uberを良く使っていたのか?の理由には、タクシーに乗ると…

①Uberより高い(ことが多い)

②愛想が(時々、全く)ない

③英語がほぼ2回に1回の確率で話せない

④運転超怖い(時がある)

⑤道間違えても知らんぷり

といったデメリットがあるからです。そもそも、運転技術がむちゃくちゃ下手な人もいますし、夜なら運転しながら寝てる人もいます。(両方の場合で「いや僕、超気持よく酔っぱらってるけど、運転変わろうか?」って思うくらいです。その前に、飲酒運転はダメです。)スマホながら運転は当たり前だし、中国語じゃないと行き先通じない人も居ます。乗車拒否を行ってはいけない(という法律だと思う)のですが、それは適当な国シンガポール。ガンガン断りますし(僕の住んでいた場所が少しだけ西に離れている。ということもありますが)逆上され轢かれそうになったこと。はたまた、予約したタクシーがあまりに来るのが遅いので、配車予約をキャンセルするとわざわざ「Fu◯k!!」と言う為だけに電話がかかって来たこともあります。その個人の特性によって体験が異なるサービスなのですが、おしなべて「生命を運んでいる」という気持ちが感じられないのと、「俺たちは俺流でいく」という感じが時に恐怖でした。

ナイトサファリは年間パスを買って、超VIP待遇(2時間待ちをパス出来る)で小さい優越感も得られる!?
ナイトサファリは年間パスを買って、超VIP待遇(2時間待ちをパス出来る)で小さい優越感も得られた良い体験でした。動物好きはMUSTGO。

 

④反省(こうしておけば良かった)

・地元の友達をもっと作っておけば良かった

帰国前に感じた反省点としては、なんでもっとローカルコミュニティに自分が属していなかったのか。という反省です。「ByeBye」を言う地元の友達がこれほど少ないのは完全に自分のミスなので、今後は気をつけたいと思います。(あ、少しはいますよ。お世話になったローカルの方には本当に感謝です。)

具体的には

①ローカルの会合(ミートアップなど)に参加する 

②日本に興味のある人に、自ら英語で情報発信をしていく 

③時間の使い方を明確に意識して地元コミュニティに貢献する時間を創る

といったような対策を今は考えています。(今後、使うだろうか…)

 

・時間の使い方

シンガポールは日本に比べて圧倒的に時間に対する余裕が出来ます。(これは個人差あると思いますし、僕の友人では月に2回しか休みのない日本人もいますが…(白目))その時間をどう使うか。休日に対する捉え方も含めて、吟味しておけば良かったと反省しています。週間、月間、年間での家族目標を決める。目標に対して必要な事柄への時間投資を行う。といった基本が重要だと思うのですが、個人の性格上「だらだら」してしまうので、メリハリをどうつけるかが大切だったな。と。

(あえて人のせいにすると)シンガポールは南国なので周りもOK Lah~の精神で割と「らくーに」生きている人が多いです。その中で自律心を保つのは、一般的には大変かな?と思うので、付き合う人材や周辺環境の創り方も含めて考えていく必要があるかと思います。

SingaporeでもPokemonGoは大ブームです。地元ホランド・ビレッジではルアーが撒かれ、皆立ち止まって片手をシャッシャしてました。
SingaporeでもPokemonGoは大ブームです。地元ホランド・ビレッジではルアーが撒かれ、皆立ち止まって片手をシャッシャしてました。

 

⑤何を達成したか(物理的に)

・WordpressによるWebsiteの構築

「折角の時間、何に使おう」と考えた時に一番初めに出てきたのが「プログラミング学習とそのアウトプット」です。僕自身の場合は、TechCampの講座/ドットインストール/プロゲートなど、無料で学べるものは兎に角やる。という無計画さで進めたのですが、それでもプログラミングの基礎的な部分を知れたのはとても良かったです。(HTMLやCSSが読め、改善・変更するべきポイントがゆっくりではあるものの理解出来る程度)

そして、その後に行ったのがこのウェブサイトshimotaku.comの設立と、帰国前にシンガポールで購入した物を売るサイトtabikago.comを作成したことです。Webフロントの知識だけじゃなく、サーバーをたて、独自ドメインを取得して、実際に無料テンプレからそれっぽいサイトを創るまで。細かいことだったり、ここはこうしてみたいな~。みたいな想像性を形にしていく過程で、どんどんWebの知識が素人ながらついてくる感じがしました。今思いましたが、ハッカソン的なものに参加すれば良かったし、そういうの自分で開催すれば良かったなぁ。と若干反省しました。如何せん、創りたい物(僕の場合はウェブサイトだった)が自分の手で創れる。という違いは大きいですね。

 

・妻の現地化(自らの手で稼ぐ)

実は帰国について、僕自身は半年くらい前から予告されていたので、当時企業で働いていた妻に「早めに仕事辞めたら?」と推薦していました。理由は「その方が時間が出来る → ので、やってみたいことに時間使えるだろうから」です。

数少ないローカル友だちの1人にウェブデザイナーをやっている女性が居るのですが、その人と話す中で「ちょっと仕事手伝って欲しい」という様な案件がありました。妻に「最初はボランティア気分と英語の練習くらいに思って行ってきたら?」と1人で送り出した所、なんだかんだガッチリ仕事を依頼されてきて、気付けば2〜3日かけてサイト製作の手伝いをしていたのです。そこまでであればまだよくある話なのですが、結局最後に200$の報酬を受け取ってきたことに対して僕は大きな価値を感じました。そもそも、僕自身が自営で仕事をしていたこともあり、お金を人様から貰うことはSuper Hardだと知っているので、この一歩は本当に有り難いし大きい進歩だと思います。

後ほど、冷や汗かきまくりで仕事していたこと、英語が分からずランチタイムで自分だけリアクションが出来ないことなどを妻が恥ずかしい想い出として話してくれましたが、こういう経験こそが人間を強くすると本当に思っているので、こんな機会をくれた友達にも、そこにチャレンジした妻にも大変感謝しています。

 

・(多少の)貯金

現実的ではあるものの、先立つものが多少出来ました。無計画ではありましたが、税金の仕組みが解明されるまではほとんど無駄金を使っていなかったので(シンガポールは工夫しないとあっという間にお金なくなります)、多少自分たちの生活を豊かに出来る貯金ができました。今度はこれをどういった投資(時間、経験、機材など)に当てていくか。ということにフォーカスしていきたいと思います。

たまには日本料理が食べたくなっても大丈夫!(但し、出費はご覚悟を)
たまには日本料理が食べたくなっても大丈夫!(但し、出費はご覚悟を)

 

⑥シンガポールに来て自分(達)が変わったこと

・適当な性格が更に適当になった

元々、僕のことを知っている人は「こいつ本当に適当だな」と思われている(僕はこれでも頑張っているつもり)のは理解しているのですが、それに更に磨きが掛かった気がします。一方で変なこだわりは更に鋭くなったような。ということは、より日本社会にFitしない人材になってしまったのかも知れません。但し、熱量を注ぐ場所にはより一層注げるようになりましたし、スピード感も更に増したと思います。後はどこにフォーカスするか。という自律部分が非常に大切ですね。シンガポールでは、ドローン関連で平日の夜や土日を使ってフライト練習している方や、家でビールを醸造していたりとか、僕なんかが到底およばない素敵な変な人がいるので、とっても面白かったのです。

 

・異文化に対する捉え方が変わった

先ほども記載したのですが、これはかなり個人的に大きいです。今までは「知ったかぶりの異文化交流だった」ということです。もしくは、「旅行で感じた程度の異文化交流だった」ということかも知れません。人(従業員)の採用、解雇で感じた個人的な経験は一生忘れないでしょうし、日々の付き合いでの心地よさ、不快な気持ちなども日本で生活する数倍の波がありました。どの国がどう。というわけではなく、結局「相手が誰か?」ということが重要なのですが、とは言えMajorityがどういう動きをするか。どういう背景や歴史があってそのような考えに至るのか?と言った点は非常に勉強になりました。もっと知りたい方は個別お話しますのでご連絡ください。

 

・(個人的に)太った。し、焦げた。

日照り激しい暑い国、且つ中華料理を始めとした大量の油、量も多くて甘いものも沢山出てくる国。ここも自律心が問われる厳しい世界です。(周りに太っても気にしてない人が大量にいる。ということは、体重増への拍車がかかる。ということを理解しました。)腹筋バキバキにするつもりだったのに。あぁ、お腹周りだけ一人前になりました。

大好きな四川料理店のあるUOBプラザビルからの風景。良くアジアでここまでDevelopしたなと感心する町並みです。
大好きな四川料理店のあるUOBプラザビルからの風景。良くアジアでここまでDevelopしたなと感心する町並みです。

 

⑦(経験を活かして)今後どう生きていくか

シンガポールでの居住を経験して得たことは、明らかに日本で生活して得たであろう経験を上回ると僕は考えています。なぜならそれは、「世界で(と)暮らす」という想いを個人(家族)的に持っているという目標があったからだと思います。

今回の記事で持って、約1年半全ての経験を振り返ったか?と問われるとそうでも無いのですが、この経験が後ほど家族の共通話題として「あの時、あんなことがあってさー」とか「いや、あの時のアレに比べたら大丈夫でしょー」と話せることが価値なのかなと個人的に感じています。それぐらい毎日、面白い人、場所、食べ物、事柄が感じられたということだと思いますし、今後もそういった「刺激的な体験」をどのように日常的に取り入れられるのか?といったことに重きを置いて行きたいと思います。

また、昔は「刺激」だけが自分の生き甲斐。みたいな人間でしたが、家族と暮らすことで「安心の重要性」にも大きな気付きが与えられました。

というわけで今後は

①「絶対的に安心できるHomeの構築とDevelopment」に力を注ぎつつ

②自分たちの骨肉を強くする「刺激的な体験を自ら取りに行く

といった2点に注力して生きていきたいと思います。

近所のBuonaVistaという街にあるショッピングセンター。歩いて帰る日は、いつもこの夕焼けを見て汗だくになりながら帰宅しました。
近所のBuonaVistaという街にあるショッピングセンター。歩いて帰る日は、いつもこの夕焼けを見て汗だくになりながら帰宅しました。

 

まとめ

すっごーく長くなりましたが、この内容が皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。(少なくとも自分自身の振り返りという意味では、大きく役立ちました笑)

明日からは一旦日本(関西)に帰国しまして、少しだけ休みをとり家族との時間を過ごしたいと思います。

 

この記事を読んで、シンガポールについてもっと知りたい方、また当ブログにご興味をお持ち頂いた方などいらっしゃれば、右下のチャットもしくはメールにてお気軽にお問い合わせください。

それではまた、世界の何処かでお逢いしましょう!

しもたく